導入実績

Case

損害保険契約管理システム

システム構築
業種 損害保険会社
システムの種別

楽々Frameworkを利用したWebアプリケーションと保険料計算エンジン・バッチシステムの相互連携

システム構成

WEB/APサーバー(楽々Framework)

保険料計算エンジン・バッチシステム(COBOL)

競争力強化を狙い経営統合、業務提携が進む中、損保業務に特化し、クオリティの高い事業を展開している損害保険会社がシステムオーナー様です。

商品モデルを中核に据えたシステム再構築
~商品改定対応のスピード化を実現~

課題

旧来システムの問題

損害保険会社の中心的役割を担うのが契約管理システムです。
損害保険会社が取り扱う損害保険商品は、多種多様な原票を扱い、1原票あたりの項目数も大変多くなっています。
提供すべきサービスについては、保険契約に関わる処理全般を範囲とし、それに伴う商品改定による履歴管理、契約内容の履歴管理、トランザクションの時系列管理などが要求されます。
自動車保険、火災保険、傷害保険など種目ごとにシステム化され、商品定義の整備が進まないまま、度重なるメンテナンスの結果、商品改定・事務改定・法改正に対応するために多大な労力と費用が発生していました。

新システムでの問題解決

保険商品を種目共通と捉え、事務の制約をモデル化した上でデータベースを実装し、膨大な業務ロジックをデータ起因(SQL)のアルゴリズムにて解決を図りました。
「作らない技術」を実践することで、環境の変化に対応できる高品質なシステムを構築しています。
また、アプリケーション開発においても、分析・設計から製造・テスト、運用保守に一貫して従事していた経験から生み出された独自の技術を駆使しています。
その技術をもとに部品共有、個別化、オンライン・バッチ資産の連携を図ることで最小限度の情報資産管理となります。
その結果、短期間でかつ既存資産の改定なく商品追加ができるようになり、費用削減に大きく貢献しています。

新システムの付加価値

保険商品を共通的に管理できるモデルを中核としたシステムを構築することで、経営戦略としての商品販売戦略とシステムがダイレクトに直結できるようになりました。
特約・割増引の追加・売り止めによる商品改定・新商品設計・特約自由設定・顧客セグメントごとによるパッケージ商品設計などが、容易に実現でき、競合他社より先行して新商品の市場投入が可能となります。
旧来システムからデータ移行された旧商品においても商品構成に適したデータを投入することで、最小限のシステム改変のみでシステム切り替えを実現することができました。

問題解決や付加価値を支える要素

データモデル上、担保・特約・割増引などを管理するだけで無く、認可を受けた商品構成及び販売に向けた市場ごとに適合させた商品構成を商品改定、法改正に柔軟対応できるように全て履歴管理を可能としています。
履歴管理された商品データをもとに、契約引受時期に応じた商品構成をリアルタイムに取り込み、契約計上へ繋げることができるオンライン・バッチシステムを提供しています。
モデルの特性上、契約引受された担保、特約などを目的別に集計することも可能となり、商品再編についても実績値をもとに設計することができるようになっています。

システム構成概要

代理店向け契約管理システムと、社内事務向け契約管理システムを同時に再構築することが前提となり、代理店計上された情報、社内計上された情報を即時に相互で照会できるなどシステム間連携をシームレスに実現しています。

代理店向けシステム:代理店計上に関わる機能全般
 試算、見積書・申込書・承認請求書作成、計上、各種管理帳票出力など

社内事務向けシステム:契約管理機能全般
 入力状況管理、契約・異動解約・継続(更改)登録、訂正、計上、取消、再計上、明細付契約親子照合など

プロジェクトやシステムの特性についてのポイント

環境の変化に順応できる「TM(T字形ER手法)」を用いたデータモデリングの使用と、システム環境に最適とされるプログラミング技術と開発ツール群の選定を行っています。
フロント部においては、楽々Frameworkを利用したWeb環境で実現し、保険料計算エンジン、バッチシステムには、現有資産を流用する前提でCOBOLを採用し、相互間連携を実現することで生産性・品質向上を図り、システム安定稼働を実現しています。
また、適用範囲においては、業務アプリケーションのみならず、過去の経験を生かした保守運用を考慮したデータ再現ツールなど運用に特化したアプリケーションも提供しています。
これらのツールは製造テストフェーズでも活用され、テスト工数削減・品質向上に貢献しており、「作らない技術」の結果、本来6,000個必要とされている自動車保険業務チェック部品は、メッセージ動的置換機能を採用することで、2,000個で全量をカバーできるようになりました。